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■2005年11月06日(日)  音楽でメシを食うこと(ジャズ編)
 我が家には一男一女の二人の子どもがいる。長男は現在は東京でジャズ・ドラマーとして生活している。子どもといっても長男はもう20代半ばを過ぎているのだが。20代半ばでジャズ演奏だけで生計を立てることは、このご時世ではかなり困難なことである。不況のあおりをモロに受けるこの業界、廃業を余儀なくされたジャズメン(女性もいるが…)は数知れない。

 私が東京にいた30年前ならまだ外車を乗り回す景気のいい若手プレイヤーも結構多くいたが、今ではジャズの生演奏を聴くこと自体が一部の熱心なファンの間でしか存在しない。さらにギャラについても厳しい状況で、大都市のジャズスポットの大半は、「チャージ・バック」という精算方法を用いる。この手の店ではジャズを聴きに来た客は「ライブ(ミュージック)・チャージ」という追加料金を支払うのだが、来た客の人数に応じて店と演奏者で一定の割合(折半か4;6)で分け合うのだ。客が50人でチャージが2,000円なら100,000円の何割かが演奏者に支払われる。しかし、今どき50人も客の入るハコ(店)は数えるほどしかないし、若手ジャズマンを聴きに来る客は10人もいれば良いところだ。楽器運搬のガソリン代はおろか駐車料が払えないことも珍しくない。ギャラで精算してくれる店もほんの少しはあるが、その演奏単価も昨今の不景気で下落の一途を辿っている。店側としても損をしてまでバンドを入れるほどの余裕はない。

 だからといってギャラが安いから出ないという訳にもいかない。聴きにくる客がいて、声がかかればどこに行ってでも演りたいし、何よりめっきり少なくなった貴重なジャズ・スポットが潰れても困る。今年も福岡の超老舗「BLUENOTE」が暖簾を降ろした。この店は地元のデパート傘下の経営で世界の一流プレイヤーをブッキングし、8,000円以上のチャージを取る高級店だったが、やはりご時勢には勝てなかったようだ。

 ジャズ・スポットは流行らないが趣味でCDを聴く人は今でも存在する。ただジャズCDの場合、ミリオンセラーなどとは全く無縁で、10,000枚も売れれば「大ヒット」といわれる寒い業界である。日本人でジャズの印税で稼げる人は紅白歌合戦にも出たガラガラ声で大阪弁の濃いギャグを飛ばす某女性歌手ぐらいではないだろうか。なぜか彼女のスケジュールは2年後まで埋まっているらしい。

 長男も高校生時代からこの世界で暮らし始めてもう10年選手である。まだまだ未完成(完成するかどうかは本人次第だが)な部分も多いが、一応この世界では少しは名前を知られるようになって来たようだ。先日「ドラムマガジン」(ドラムを叩く人はみんな知っている雑誌らしい)で特集されて少しは気を良くしているようだが、それで生活が楽になったという噂は全く聞かない。人気商売ゆえにいくら実力があってもチャンスに恵まれなければメシもロクに食えない。

 彼は今ジャズの世界から更に足場を広げ、ヒップホップやラテン系のジャンルにも活動の場を広げている。昨年からラテン系Jポップのsaigenjiのユニットの活動に参加しているが、先日saigenjiグループで沼田高校の文化行事に出演した。実は長男はこの沼田高校吹奏楽部の出身で、私が前任校にいるときの沼田の部長だった。

 昨年の秋、今回の文化行事(今年は音楽鑑賞の年)を企画することになり、どんなジャンルがいいかいろいろと考えてみたが、私は沼田高校の生徒にはありきたりの芸術鑑賞でなく、最先端のポップスを聴かせたかった。毎年数多く学校に届く学校行事用の案内チラシを見たが、もう数十年前に一線を退いた人か地方の学校ばかり回って、有名バンドの曲をコピー演奏する聞いたこともないようなグループが多い。中にはミュージカルやオペラを学校でというかなり乱暴な企画もある。そういった「ほぼ本物」ではなく。正真正銘の実物を聞かせたいというのが企画者としてのコンセプトだったのだがなにせ予算が少ない。

 これが東京ならおそらく半額以下で呼べるのだが(学校ということでボラれることもあるが)、地方公演はアゴアシ(食費と旅費)やトランポ(運搬費用)といった演奏費用以外の予算が膨大な額となる。2月になり年度内に企画を決定する必要に迫られ、最後の頼みの綱で、東京にいる長男に聞いてみたところ、「いまやっている“saigenji”ならマネージャーに話してみる」ということになった。

 それまでsaigenjiのことは全く知らなかった私だが、彼のCDを聞いてみるとなかなか感じがいい。ブラジル風の声とリズムで歌は日本語というかなり個性的な存在。高校生にも十分アピールできる強烈なリズムがあり、日本人歌手には少ない国際的なスケール感がある。普段はソロ活動が多いのだが、3作目のアルバムではバンド編成となり、長男がドラマーとして起用されたことがきっかけとなった。

 広島の企画屋に紹介して交渉してもらったところ、やはり予算が折り合わない。そこで音響と照明と楽器調達は広島でということにし、大幅に予算節約することにして何とか契約にこぎ着けることとなった。ちょうど契約前後にテレビで「ドラフトワン」という発泡酒のコマーシャルでsaigenjiの歌声が毎日のようにオンエアされ、そのタイミングの良さにちょっと驚いた。ブッキングしたアーティストが有名になってきて良かったと思う反面、スケジュールが立て込んでくるとこの企画もキャンセルされるのではと逆に不安にもなった。

 そしていよいよ11/4本番当日。開演前、吹奏楽部がマーチングの全国出場を表彰され、全校生徒による全国大会への壮行式があった。そしていよいよ「Saigenji in Numata high school」が始まった。キレの良いギターと素晴らしいヴォイス・パフォーマンス、東京のライブシーンの第一線で活躍するサイドマンたち。やはりこの企画、無理をして正解だったかなとちょっと感傷に浸る私。さらにドラマーは8年ぶりに母校の講堂でドラムを叩く長男。奇しくもカムバック公演となった元部長に本校吹奏楽部のパーカッションの女の子から花束が渡され、緊張気味の彼も嬉しそうだった。これまで毎年のように帰広したときは学校に顔を出して打楽器パートを指導し、10才も年の違う後輩たちに「RYO先輩」と呼ばれる長男。

 見方に寄れば「親バカ企画」と思う人も多いに違いない。だが、プロの音楽の世界はそんなに甘くない。私はどちらかというと「星一徹」のような父親だ。どんなに技術が上達しても音楽という土俵で見る限り、その技術レベルに応じた要求があり、彼に言いたいことは山ほどある。今回の公演が成立したのはこちらが一応満足できる編成で、予算ギリギリの所で企画するにはこれがベストチョイスだったということだけだ。もし演奏が生徒たちにアピールできなければ、その責任は企画者である私にあるわけだし、長男も辛い思いをするに違いない。そんなリスクを背負ってまで自分の家族を満場の中にさらけ出させる必要はない。彼にとっては今回の仕事はある意味「試練」だったと思う。

 彼は母校での演奏の後、翌日は広島市内でsaigenjiライブ、さらに次の日からはまたジャズドラマーとして大阪で4日間、すぐ東京に帰ってしばらくはジャズ漬けの毎日が待っている。


 音楽で飯を食うことは楽しくもあり、辛くもあり、空しくもある。そこだけは親子で同じ境遇にいるといえるだろう。

 
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■2005年11月14日(月)  Alle Cuisine!(アレ!キュイジーヌ!)
grp0826002545.jpg 400×300 113Kここ数日の冷え込みで音楽室もかなりシバれてきた。もう日中窓を開ける陽気じゃあない。が、我が愛すべき吹奏楽部員たちは元気いっぱいで、ラストスパートの真っ最中だ。県大会、中国大会と勝ち進んできた彼らに、もうひと月前の頼りなさはない。リーダーたちを中心にこれまでとはまるで別の団体のような集中力を見せている。

“全国”という「場」を知っている生徒がいることも心強い。沼田高校には小・中学校で何度か全国を経験した安佐地区の「マーチング・キッズ」たちがいる。彼らは全国のレベルを肌で感じ取っている。どこまでやらなければダメかということを判断できる目と耳がある。経験の浅い部員たちも信頼できるリーダーたちがいるおかげで内部分裂寸前のハードトレーニングにも歯を食いしばってついて来る。おかげで最初はどう考えても無理だと感じられたことが、いつの間にか形として出来上がりつつある。彼らを育て上げた安佐地区小中学校の名伯楽たちに感謝せずにはいられない。

私はクラブを育てるには料理と同じ2つの柱があると考えている。わかりやすく言えば「百姓」と「板前」だ。育てることと料理することは別の仕事なのだ。これが両立できなければ吹奏楽というクラブ活動は成立しない。小・中学校で精魂込めて育てられた素材を預けてもらえることは高校の指導者にとっては誠に有り難いことだ。

だが、全国という物差しで考えれば、沼田高校の素材など鼻であしらわれるような高級料亭も数多くある。そこでグリル「サイセン」では舌の肥えた審査員諸氏にどういう味付けの料理を提供するかを日夜考えるということになる。

今年のメニューはズバリ「ジャンク・フード」だ。キャビアやトリュフといった高級食材ではなく、広島牛のコマギレをケイジャンソースとチリペッパーでチャリチャリと炒めた前菜と、メインは瀬戸内の魚介類をガーリックたっぷりのオリーブオイルで焦がし、パルミジャーノとバジルやタイムを散らせた香草焼き。サラダは彩りのいいパプリカとレタスに醤油風味のドレッシング。パンは石釜で焼いたクルミとチーズが香ばしい自然酵母の麦芽パン。値段は安くても誰もが旨いとウナる料理を出そう。

そう、誰もが楽しんでくれるような演奏が出来ればそれでいいんだと思う。それが沼田風。これまでもずっとそうだった。

でもせっかく大阪城ホールで演るんだから、できれば自分たちも楽しみたい。悔いなくやりたい。みんな一生の想い出になることは間違いないから。

忘れないよ!  ゼ・ッ・タ・イ! 

 

 
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■2005年11月21日(月)  全国大会 初出場 銀賞! 何もかも最高でした!(1)
grp0826002724.jpg 400×334 56K沼田にとってまぎれもなく、今年最大のイベント「大阪城」が終わりました。これまで沼田高校吹奏楽部を応援してくださった方々に心よりお礼を申し上げます。

10月16日の中国大会で初代表となった部員たちは、それまでまったく夢の世界でしかなかった「全国」の舞台を経験することとなりました。19日(土)に広島を出発してからの2泊3日は彼らにとって一生忘れることのない最高の3日間だったに違いありません。

私は中国大会の表彰式直後、狂喜乱舞する部員たちを前に「大阪城では立派な“銀賞”を狙おう!」と勝利に酔う部員たちにちょっと冷や水を浴びせるような言葉を贈りました。部員たちは一様に「エ〜?」という拍子抜けした反応でした。私としては別にカッコつけて言ったつもりもなく、銀賞が頂ければ本当に名誉なことだと感じていました。

何しろ「全国」。多くのバンドの中から選ばれた名門校が集う大会で初出場から「目指せ金賞!」などどという安直なセリフは正直言えませんでした。まだ何もかも発展途上で未完成なバンドが初めて「全国」に行くのです。出来れば次につながる「良い結果」であって欲しいという素直な気持ちから出たことばが「立派な銀賞」でした。  

ところが案の定「立派な銀賞」への道はなかなか険しかったのです。一時は中国大会の時とは格段に進歩を見せていた部員たちでしたが、全国が近づくにつれて、徐々に音と歩きに精彩が無くなっていきました。

理由は案の定の「プレッシャー」です。一生懸命頑張っていても、自分たちの技術に自信がないため、なんとなく消極的な演奏をしてしまいます。リーダーたちが必死になればなるほど、ここ一番の表現が消極的なってきます。まるで夢の中でもがいているように……。初めて全国に出場する部員にとっては、そのすべてが一度は越えなければならない高いハードルでした。(つづく)
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■2005年11月22日(火)  全国大会 初出場 銀賞! 何もかも最高でした!(2)
img1-SUNBARDS.jpg 601×449 71K出場が決まって、全国の雰囲気を知るために沼田の部員に「精華女子」と「玉名女子」の全国大会での映像を見せました。リーダーたちが今回のコンテを作る前に穴が開くほど見たおなじみの映像です。ほかの部員たちも過去何度となく見ていて、もうすっかり知り尽くしていたはずの彼らの演奏が、いかに高度なものかが部員たちにもようやく理解できたようでした。全国大会で80点以上が金賞とすれば、さしずめ沼田はよく仕上がっても60〜70点程度の実力だと感じました。

11月になり、全日本吹連から出演順が発表になったとき、沼田高校は15団体中13番という予想よりはるかに後の方の出番でした。更によく見ると、精華は12番、玉名が14番!なんと沼田はあの2大スターバンドに挟まれて演奏するのです。この時点で私は部員たちにはやや辛い結果になるかも知れないことを覚悟しました。

プレッシャーの中、私たちに最も勇気を与えてくれたのは、中国大会で一緒に代表となった倉敷商業顧問の江田先生でした。入場券の予約などで親身になって相談に乗って頂いた際、初対面の私たちに本当に心のこもった励ましのFAXを頂きました。倉商は言うまでもなく、中国支部が誇る全国常連バンドです。私たち沼田高校のことは、代表になるまで全くご存じなかったに違いないのですが、江田先生からこの「サイセン日記」を読んだ感想なども頂き、全く恐縮の至りでした。

早速このFAXを部の掲示板に貼ったところ、全国が近づく中での多忙なスケジュールや練習時間の確保の困難さなど、私たちも抱える身近な話題やお互い中国代表としての意義などのメッセージに、浮き足立っていた沼田の部員たちも徐々に落ち着きを取り戻し、また練習に取り組む勇気を取り戻したように感じました。

大会前日の19日昼すぎに広島を出発して場当たり(会場下見)のある大阪城へ。会場で倉商の江田先生に会い、お互い健闘を誓って先生の大きな温かい手と岩国以来の2度目の握手をしました。大阪城ホールは思ったよりは広さを感じさせない会場でしたが、全く音が返ってきません。会場にいた知人に前日の小学校バンドフェスティバルの様子を聞くと、残響がほとんど無いらしい。マズいぞ!沼田は音が小さい・・・。

大会当日の20日は箕面市の「サントリー箕面トレーニングセンター」で午前中リハーサル。ところがまたプレッシャーが……。大阪城とは正反対に残響時間がかなり長く、フォルテの音が全く合わない。やる気とは裏腹に力が入らないといった変な感覚。結局昼前までかかってサウンドの修正や動きの確認に追われる。

やがて移動時間となり、一路大阪城へ。会場まで1キロ付近の放送局前庭のイベント会場ですざましい迫力で練習しているバンドが…。あの精華女子でした。大阪城に到着するともうたくさんの団体が音出しの最中でした。本番前の屋外での演奏はこのように響かない会場では効果的です。すぐ近くから和太鼓や鉦が聞こえてきました。倉商だ。みんな超ハイテンションの大きな声で笑顔で何か歌っている。本番の雰囲気に飲まれないように気合いを入れているのだと分かりました。私たちもテンションを上げて頑張りたい。しかしプレッシャーが取れきれない部員たち。ちょっと気合いが足りないかも…。

数分間音出しをしたころ集合時間になりました。もう運を天に任せるしかない。集合場所に生徒を残し、私は客席に。客席に座って感じたことは大阪城ホールはやはり広いということ。響きは少しあるがかなりクリアーで、やはりどのバンドも音が伸びない。数団体聞いたときころで「プログラム12番、九州地区、精華女子高校」というアナウンス。いよいよ本物の精華の番だ。

すごい! それまでの団体とは迫力が全く違う。更に音が「美しい」。動きも全く文句なし。DMに至ってはプロ級のバトントワラーのような曲芸の連続で、「世界大会チャンピオン」の実績も素直に頷ける。ビデオで見た精華よりもはるかにすごい。このバンドの次の出演が「沼田」だという現実は忘れてひたすら聞き惚れていました。やがて演奏が終わり、場内割れんばかりの拍手とため息。日本にはこんなにすごいバンドがあることが誇りに思えてきました。

さあ、次はいよいよ沼田の出番です。精華の演奏の興奮がまださめやらぬうちに入場ゲートが開き、おなじみ「沼田コール」。 

が、声が小さい。いや小さく聞こえたのです。さっきの精華のコールはあんなに大きく聞こえたのに…。そうか、人数差があるのだ。精華は約90人。沼田は61人。違って当然だ。やがてDMのカウント。ドラムロールの次の1発目のトゥッティ(全体奏)。

げっ!「弱い!」やはり音が小さいじゃありませんか。こんなに音が小さいとは。だが部員たちは意外にしっかり吹いているようです。音が小さいことを除けば結構きちんと出来ています。動きもよく揃っていて、普段よりは揃って見えます。一曲目は大きな波乱もなく、無難にまとめました。次はコンテを大改造した「LAND OF MAKE BELIEVE」です。ややソロのリズムが流れたように聞こえましたが、これも沼田の現状では及第点でしょう。3曲目の「ECHANO」はほぼいつも通りに見えました。最後の所でちょっとガタガタガタした感はありましたが…。当然すぎることですが、人数が少ない上に初心者の多い沼田じゃ音も動きも世界チャンピオンの精華には遠く及ばません。欲を言えばきりがないのです。
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■2005年11月24日(木)  全国大会 初出場 銀賞! 何もかも最高でした!(3)
grp0826003030.jpg 400×300 29K玉名女子が終わり、私は沼田の写真撮影があるので急いで会場から外に出てみると、まだ一つ前の精華女子の撮影中で沼田の生徒たちはその横で待機中でした。まだ緊張感が残っているのか、不安そうに私の表情を見つめる生徒たち、私が大きな声で「おつかれさまでした!」というと、彼らも大きな声で「おつかれさまでした!!」という意外に元気な声で応えてくれました。

沼田としては決して悪くない出来でしたが、何か手放しで喜べない重い雰囲気だったメンバーも、ようやくいつもの明るい生徒たちに戻って、楽しく写真撮影となりました。そのころになると教頭先生やたくさんの保護者の方々やOBたちも集まってくれて、部員たちの労をねぎらってくれました。これまで県外遠征の少なかった本校吹奏楽部には保護者会という組織はありません。今回は初の全国出場ということで保護者の有志の方々が中心になって「横断幕」や「応援バス」を仕立てて下さいました。本当にありがたいことだと感謝しています。

指導者としては受賞結果より今後の課題を知ることが大切なことだと思います。今の沼田高校吹奏楽部の弱点はズバリ「実力不足」です。過去の大会で「人数不足」は何回も感じましたが、これほど力の差を実感したことはありませんでした。そんなことは大阪に来る前からわかっているはずなのに、やはり今後の大きな課題となりました。初心者や1年生も多いこのバンドでここまで来れたのだから、と言いたい訳ですが、まさしくそれは言い訳です。初心者が多くても、学業が厳しくても立派に全国バンドとして活躍している団体はたくさんあります。その違いは何かと言えば「規律」であり「チームワーク」であり「真剣さ」なのです。今回はたまたま全国まで来れたに過ぎません。これはこれで素晴らしいことですが、次を期待するなら、さらに精進していくしかないと思いました。

知人やOBたちの評価には私同様、音が小さいことを気にする意見も多くありましたが、初出場の上に精華と玉名の間で演奏したということで、概ね沼田には「同情票」が多かったように感じました。

写真撮影も終わり、会場に戻った生徒たちは初めて客席からフェスティバル部門を見ることになりました。パレード部門とはまた違った派手な演出やフリーな演技が魅力のフェスティバル部門。一昔前と比べると随分音がきれいになったことが印象に残りました。

さあ、トリはいよいよ我らが中国勢の雄、「倉商」の出番です。沼田の生徒たちも声を限りに「倉商〜ファイト!!」を連呼しています。美しいサウンドとキレのある動き。祭の衣装と和太鼓を効果的に使ったいつもながらの演出で、知らず知らずに江田ワールドに引き込まれていきます。指揮者の江田先生のパフォーマンスはプロ芸人も真っ青の魅力があり、あの淀高の丸谷先生にも一脈通じるものがあります。大幕による早変わりで、自分だけちょっと遅れて窮屈そうに上着を脱ぎ捨てたり、「一(ひい)・二(ふう)・三(みい)・四(よ)」のカウントなど、全国常連顧問の名伯楽が何故かカワイく見えるのです。指揮者がここまでパフォーマンスをする団体はありませんでした。結果はウレシイ金賞。ヤッター! 本当におめでとうございます!

表彰式前のアトラクションにも感動しました。淀高の演奏と自由学園のバトン。やはり全国大会は迫力が違います。まず鑑賞している各団体の部員たちの反応の良さと、出演した淀高や自由学園のパフォーマンスの素晴らしさ。大会運営をされた関西支部の皆さんのサービス精神旺盛なノリの良さには私たち中国勢としても見習うものが多くあるように感じました。

さあいよいよ成績発表です。1番から3番までは「銀賞」のオンパレード。それから「銅」と続き、最初の金賞は同宿の群馬県の「東京農大二高」でした。更に二高は今回で「3出」となるそうです。ホテルの中での態度や服装など、沼田とは比べものにならない程礼儀正しい団体でした。やはり中身が違うのかなぁ。と考えているうちに、「沖縄西原」「愛工大明電」「精華」とマーチング名門校の金賞が続き、沼田高校の番になりました。沼田までに金4,銀5,銅3という結果。私はこの流れだと「銅賞」を覚悟していたので、「沼田高校 銀賞」と聞いたとき正直とても嬉しかったことを憶えています。沼田の生徒の中にも思わず歓声を上げた生徒が沢山いました。当然その後の玉名は金賞でした。結局金5,銀6,銅4という結果。金賞はもう超一流の伝説的なバンドばかりです。沼田にとってこんなに嬉しい銀賞はありません。「みんなよくやったぞ!おめでとう!」心からそう思いました。

閉会式での松井大会委員長の締めの言葉はなんと「ほな、さいなら!」。大阪の人はまったく客を飽きさせません。「もう一度この舞台に戻りたい!」 沼田高校の部員たちもその時切実にそう思ったに違いありません。「さあこれから頑張ろう!」とみんなの顔に書いてありました。会場から出るともう7時前になり、いつの間にか外はもう暗くなっていました。約一万人が一斉に外に出たので、会場周辺はとても混雑していましたが徒歩で夕食会場に移動することになり、列になって歩いていると生徒たちがみんな立ち止まっています。理由は会場から出てくる「倉商」のメンバーにお祝いを言いたくてみんなで待ちたいというのです。しばらくゲート前で待ちましたが、どうやらそこにはまだ来ないようです。

夕食の時間が迫り、仕方なく立ち去ることになったとき、旅行社の添乗員から「先生実は…」という不吉な知らせ?(つづく)
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■2005年11月25日(金)  全国大会 初出場 銀賞! 何もかも最高でした!(4)
img1-img1-film.jpg 369×1332 72K「なに?」と聞くと、「実は予約していた夕食会場に別の団体が相乗りになって…」という知らせ。「ああ、別にかまいませんよ」と軽く応える私。その時旅行社の人の口から「実は先生、あの精華女子なんですよ!」「はぁ?!精華と一緒に食事?」

本番で前後して演奏したあのあこがれのスーパーバンドと一緒に食事!。このニュースは会場では生徒に伏せて、店に行く直前に「ビッグニュース」として生徒に伝えたのでした。案の定生徒たちは「ギャ〜!」と大騒ぎ。今日一日、緊張感の中で過ごした生徒たちもやっといつもの明るいハイテンションな集団に戻っていきました。

「大阪名物」の“タコ焼き”と“きつねうどん”(大阪ではケツネウロンと発音するらしいですが)と“かやくごはん”大阪城の天守閣のすぐそばの茶店風の店でした。ここはたこ焼き体験が出来る店で自分で焼いて食べるスタイルです。一見難しそうだが店の人の説明が上手でほとんどの生徒がとてもおいしく焼けました。うどんもかやくご飯も本当においしかったです。

ワイワイとやっているとある中年の紳士が私の所にやってきて「今晩は、精華の藤重です」と丁寧なご挨拶を受けました。写真では何度もお目にかかっていたのですが実物と会話するのは私も初めてで、「しまった!私の方から行ってご挨拶すべきだった」と反省しつつ、部員たちに「精華女子高校の藤重先生です!」と紹介すると、沼田の生徒たちは打ち合わせもなく、大きな声で「おめでとうございま〜す!」の大合唱。こちらも、ぜひ精華のDMに挨拶したいという森田部長(DM)を連れて精華の席に。森田部長も嬉しそうに憧れの精華DMと握手をし、初対面の挨拶を交わした。すると今度は藤重先生が沼田の席に精華のリーダーたちをつれて来られて、紹介してくださいました。「世界の精華」の部員たちは近くで見ると、ごく普通の女子高生たちでした。

しばらくすると藤重先生から「ちょっと交流会をやりましょうか」という嬉しいお言葉。早速生徒たちを外に連れ出す。そこへ遠くから見慣れた一団が通りかかる。倉商だ!生徒たちは「ウワ〜ッ!オメデトウ〜!」と駆け寄って全員で握手とハイタッチ。倉商の生徒もメチャクチャ明るい!最後に江田先生が来られるともう生徒たちは昔からの教え子のように先生を囲んで離れようとしない。先生のファックスに勇気づけられた部員たちにとって、江田先生はもう自分たちのあこがれの「先生」なのでした。

まさしくすごい光景です。精華の100人、倉商の80人。沼田の61人と200人以上の高校生の時ならぬ歓声に観光客も何事かと振り返るほどです。やがて倉商は食事場所に移動し、精華女子の藤重先生がお話をされました。先生はやはり私の考えていた通りの方で、とても優しく、ユーモアがあり、音楽を愛することの素晴らしさや仲間としての出会いの大切さをを生徒たちに話してくださいました。それからは、各パート毎に数分間の即席交流会となりました。最初は沼田の生徒のハイテンションに少しヒキ気味だった精華の生徒もやっと明るさが出て、楽しい時間を過ごしました。全国常連校の精華としては、初出場の沼田とはかなり違った精神状態だったに違いありませんが、同じ高校生として楽しく交流してくれたことに心から感謝しました。

ライトアップされた大阪城天守閣前の広場は岩国に続き、今年2度目の「LAND OF MAKE BELIEVE」となったのでした。



  
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  • hlgbma(2012/03/03 20:33)
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  • wjpmeczzky(2012/05/01 18:13)
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