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■2005年10月12日(水)  “1億人の吹奏楽の旅”を見て…
高嶺の花空前の「吹奏楽ブーム」である。

さまざまな要因もあるだろうが、この番組の影響が最も大きい。これまでTV番組で高校のクラブ活動を取り上げることはあっても、ほとんどが単発のドキュメンタリーでこの番組のように2年連続してシリーズ放映されることはまずあり得なかった。

おかげで吹奏楽部の活動についてのお茶の間の認知度は飛躍的に高まったし、各学校でも一様に入部者が増えているようだ。これまで生徒数の約5〜7%だった部員数が10%超の学校も珍しくない。これはこれで現場にとっては誠に有り難いことだし、生徒のやる気もさらに高まろうというものだ。

ただ、私はその番組での取材手法にいささかの疑問もある。大体ここで取り上げるバンドは名にし負う「コンクール・バンド」である。それも100人を越す大所帯で高度な演奏が出来る団体が大半である。演奏技術や活動内容も、当然全国大会出場を狙える水準であり、部員の涙ぐましい努力や名顧問の歯に衣着せぬ叱咤激励が一般視聴者の目にはさぞかし新鮮に映るに違いない。

全国の多くの吹奏楽部がこのような活動を出来るかと言えば、激しくNO!である。地方バンドのほとんどは少子化で学級減となり、20〜30人規模で合奏をすることだけでも困難なバンドが大半なのである。せっかく番組で取り上げてくれるのであれば、このような弱小バンドであっても、音楽することの素晴らしさを地味な活動を通して実感できるような内容で構成してもらえたらと思うのは欲張りすぎだろうか。

コンクールに参加することは確かに一つの目的にはなるが、音楽本来の精神から言えば付随的なものだ。あくまで教育活動の一環としてバンドの実情に会わせて活動しているわけで、現場の関係者としてはちょっと違和感が残るシーンもある。

そんなとき、先日沼田高校にも地元のFM局の取材がきた。別に沼田が有名だから取材が来たわけではない。部活を休む部員にどう対処すればいいかといったベタな話題を提供した本校のある部員への取材のために来校されることとなった。まさに“吹奏楽の旅”とは正反対の内容で、本校吹奏楽部にとってはまさに等身大の出演である。主にマーチング練習を取材して頂いたが、女性パーソナリティーの方の明るくフレンドリーなキャラクターとディレクターの方の丁寧な構成で部員たちも緊張することなく取材が終わった。その夜のオンエアーも拝聴したが各所に制作者の心配りがあり、誰が聞いても安心できる?内容だった。

その直後の県大会で県代表に選ばれ、先日ディレクターからお祝いの連絡を頂き、できれば山口遠征でも同行取材したいとの有り難い依頼もいただいた。本校の活動はTVに出てくるバンドのような卓越したパフォーマンスもないし、顧問の私もそれほどキャラが立っている方ではないので、ラジオ番組的には作りにくいのではないかと心配するのだがそこは餅屋。ちゃんと形にして下さるに違いない。

地区大会まであと3日。悔いの残らぬよう全力で取り組むことに関しては、まさに“吹奏楽の旅”そのままと言いたいところだが、現在は来週の中間試験の試験週間中であることに加えて、腰痛や風邪でダウンする部員も多く、彼らにとっては精神的にも肉体的にも厳しい状況が続いている。

“吹奏楽の旅”に出るバンドにはこんな悩みはないのかなぁ……


   
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  • yflhls(2012/11/24 12:25)
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  • asbkopj(2016/04/01 23:44)
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  • zuowwrnip(2016/04/04 20:20)
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  • babcwxdmnd(2016/04/07 02:30)
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■2005年10月18日(火)  全国大会初出場!みんなありがとう!
MIDI “Land of Make Believe”   

10月16日のマーチングコンテスト中国大会で、ついに沼田高校吹奏楽部が全国大会に出場することになりました。応援に来てくれた多くの皆さん、本当にありがとうございました!

沼田の出演順は「パレード 高校以上の部」1番で前が中学生のフェスティバル、高パレの強豪校の2〜3団体前という、まあまあのクジ運だった。演奏は概ねいつも通りの出来で、僅かの荒さはあったが大きな失敗はなく、キレの良いステップでまさに、「キメていく」という感じのコンテは快調に展開された。中間部のバラードもまあ70〜80点の出来で、最後の「N」の人文字が多少いびつだったが、大きな減点項目はないように思った。ここまでやれたのだから、出来れば金賞であって欲しいと願った。しかし、他校も上手い! 音楽的にはそれほど突出した団体はなく、人数が多いところはそれなりに音や動きが大きい。しかしやはり強豪校はさすがの演出で感動も大きい。

やはりダメか…と思っている矢先に引退した3年男子が「ウ〜ン、沼田は銀賞ですかね」と冷たいお言葉。実は私もそれを心配してたのに……

「プログラム1番 広島市立沼田高等学校 ゴールド金賞!」成績発表の瞬間、私は意外に落ち着いていた。銀賞常連からの脱却の願いが叶い「ヨシッ!やった!」という手応えだった。吹奏楽コンクールと違い会場は異様に静かだ。

一通りの発表が終わったとき、パレード部門6団体中4団体・フェスティバル部門8団体中3団体が「金賞」だった。この7校の金賞団体から全国への代表が2校推薦される。ただ、現在のルールではパレード部門の第1位は優先して代表となる。正直に言うと沼田はこの中では一番下の方だろうと思っていた。何しろそのほとんどが全国大会出場歴のあるバンドである。しかし念願の「中大金賞」と言うことで顧問としてはまずはホッとした心境だった。ここまでよく頑張った部員たちへの素直なねぎらいの気持ちで胸が一杯だった。

ただ、自分としては今年のマーチングには何かいつもと違う手応えと期待があった。それは生徒のグルーヴ(リズムの乗り方)が私の考える理想にかなり近づいていたからだ。サウンドについてもこの1週間でかなり整理がついてきていた。ポップスを演奏する場合、リズムとグルーヴがスカッと決まれば、たとえ分厚いハーモニーや耳をつんざく大音量がなくても、十分にアピールできると考えていたからだ。

8月の吹奏楽コンクール後、新リーダーたちがマーチングに取り組み始めたとき、今年のメンバーならポップスがかなりイケるんじゃないかという予感があった。私の選曲についてのアドバイスを聞き、彼らが持ってきた曲は、あの「LAND OF MAKE BELIEVE」だった。“あの”というのは3年前初来日した「BLAST」を沼田の20数名の部員たちと渋谷のオーチャードホールまで1泊ツアーで鑑賞に行ったときに初めて聞いた曲だったからだ。その後毎年来日するBLASTを高いチケットを買って飽きずに見に行く生徒たち。彼らの中にはきっとこのジャズ・フュージョンの名曲の感性が乗り移っているに違いないと感じた。

沼田の部員にBLASTのビデオを見せ、DCIのことを紹介してからもう3年になる。その間演奏会やマーチングで何度かBLASTのナンバーも演奏し、もうすっかり自分たちのスタイルとして成長させた彼ら。DCIのDVDを何度も見て、リーダーたちが考えたコンテはこれまでの沼田のパレーディングとは違い、かなり高速でトリッキーなものになった。吹連系の課題やサウンドを重視したマーチングとは一線を画し、見ても聞いても楽しく、音楽とよくリンクしたさわやかなコンテが誕生していった。特徴を一言で言えば「フロア・ショー・スタイル」とでもいえばいいのか。大げさな動作や威嚇するような咆哮をせず、あくまで音楽を意識したタイトで余裕のある大人の歩きを目指した。2年後に迫ったルール大改正でパレードとフェスティバルが部門統合になれば、パレード部門のバンドはこのスタイルが定着するであろうことも考えてのことだった。

マンジョーネの音楽は決してイージーなリズムではない。メロウな旋律とタイトなビート、パッションを押さえた白人系ラテンフィーリングなど、高校生にとってはやや難解な課題を投げかけてくる。が、私の可愛い教え子たちはそれをいつのまにか身につけてしまっていた。

そんな想い出が走馬燈のように巡り、中学校の代表が発表され始め、「海田」「五日市」と順当な代表が選ばれた。次は「高校以上 バレード部門」だ。当然ここで一区切りかと思い。横にいた顧問の大屋先生に「ここで『広島市立』・・・なんて言われたら大変だね」と、言い終わらないうちに何の前触れもなく、部門名も出演順もなく「広島市立沼田高等学校!」という声が聞こえ、会場は歓声と悲鳴で騒然となった。

自分で事態を冷静に理解しようと体勢を立て直そうとした矢先に「いやぁ!先生おめでとうございます」と握手を求める大屋先生の声。その間約0.5秒ぐらい。私の頭の中は沼田に帰ってからの日々を瞬く間にワープした。岩国市総合体育館はまさしく我々の夢が花開く「LAND OF MAKE BELIEVE」となった。

会場から出て全国大会の書類をもらい、外に出ようとしたら早速例のFM広島の「クジラジ」スタッフにつかまり、即席の取材が始まった。そこで生徒を待つつもりが、なかなか出てこないので、表彰式のフロアを見るともう誰もいない。慌てて外に出るとやたら元気に記念写真を撮っている一団が…案の定沼田勢だ! 

私が到着するともうもみくちゃでハイテンション、すごいことになっていた。泣く奴、叫ぶ奴、飛ぶ奴(胴上げされた私)、あちこちで「世界で一番幸せな瞬間」が繰り広げられていた。バスに乗ってからも、学校に到着してからも笑顔、笑顔、笑顔のオンパレード。本当に良かった。

これで沼田は確実に大きな「UP!」を成し遂げた。これからは昨日までとは違ったスタンスの日々が始まる。何しろ中国大会で優勝したのだから。

しかし、あのフロアを埋め尽くしていた各県代表の頂点に立ったという「怖さ」を知らなくてはいけない。このままで済むはずはない。きっとどこかで手痛いしっぺ返しを食うに違いない。「追われる者」の怖さを、「守る者」のつらさをイヤと言うほど感じるに違いない。沼田の部員たちにその覚悟はあるだろうか。我々のようにある日突然飛び出して「一発屋」で終わったバンドも数多い。

沼田高校吹奏楽部が今後もUPし続けるために、トップバンドの誇りを持ちつづけるためにはそれだけの資格が必要だ。これから先も目標を見失わないで欲しい。生活態度や学習面での要求はこれからますます厳しくなる。何しろ君らは「中国一」のマーチングバンドになったんだから。

おめでとう! そして ありがとう! これからもよろしく!




 
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  • kqaxwboybhi(2014/11/25 00:18)
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  • nfpjiiulwm(2014/11/29 17:22)
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  • cgblohtjjpo(2015/01/21 07:01)
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■2005年10月29日(土)  久しぶりのオフです
この日誌を書き始めた当初は毎日のように更新出来たものが現在は月約2〜3本という体たらく。時間がないといってしまえばそれまでだが、やはり日常の疲労感が筆を遅らせる最大の要因ではないかと言い訳する今日この頃ではある。

今日は模擬試験があるので、クラブは中止となり、私にとっては本当に久しぶりのオフ。さて何日ぶりのことなのかはよく思い出せないが、こうやって一日中自宅にいることは最近珍しい。例年はコンクール・シーズンが終わり、わりとゆったりとできる時期なのだが、今年の沼高はまだマーチングの全国大会があるので、いまだに気の抜けない毎日が続いている。全国出場はたしかに身に余る光栄だが、その準備の一事が万事、慣れないことの連続で、喜びと不安が相半ばといったところだ。

大阪城ホールまでの道のりは長い。現在近畿地方は紅葉狩りなどの秋の行楽シーズンの真っ最中で、どこのホテルも週末は満員御礼。そこへ全国から小・中・高・一般の80団体に近いバンドか集結する。応援団も含めるといったい何人が大阪に宿泊するのか。ホテル探しもままならない中、練習会場を探すことはさらに至難の業。この時期、日曜日に開いている体育館などある訳もないが、根気よく50件近く電話をした。大阪市内はもとより、兵庫や奈良、京都などの近県エリアも含めてである。結果はあえなく「全敗」。学校関係者はもとより、旅行社、楽器店など多くの方々にも探していただいたが、なかなか見つからない。

練習会場といっても、本番当日の午前中いっぱい利用し、午後2時までに大阪城ホールに入ることの可能な距離で、縦横30メートル以上の体育館という贅沢な条件。とうとう「ぶっつけ本番」かとあきらめかけた時、ある旅行社の方が朗報を知らせてくれた。箕面市にある日本リーグのバレーボールチーム『サントリー・サンバーズ』の練習場が午前中開いたとのこと。大きさも十分で条件も申し分ない。箕面市なら道路が空いていれば約30分で大阪城に到着できる。

この旅行者の方には夏の県吹奏楽コンクールの福山でも練習会場を予約していただいた。このときは彼の実家の方がわざわざ会館まで行かれて予約してくださったが、今回は彼の大学時代の友人がサンバーズの選手だったという奇遇で練習スケジュール変更の貴重な情報を手に入れることができた。それが旅行社の仕事だと言ってしまえばそれまでだが、私たちのために必死に走り回る彼の姿を想い浮かべ、正直ありがたいと感激した。

旅行業者だけではない。楽器店の方にも随分無理なお願いをすることになった。

県大会、中国大会と続けてバスドラムの音色について審査員から「不明瞭」「バランスが悪い」と注文がついていた。今回沼田は初めて4バスのフルセット(大太鼓4人)で叩いている。こういった本格的なドラムアレンジには未熟なせいもあり、60人編成ではどうしても音量のコントロールが難しい。

昨年からEVANSのインナーミュート(周囲にスポンジミュートを貼らなくても音がミュートできる)装着のヘッド(皮)を購入したのだが、音色は伸びと温かさがあってなかなか良いかわりにミュートが少し弱い。

楽器屋さんに相談しても無理かとは思ったが、その日のうちにメーカーに相談してくれ、「アリーナ(体育館)モデル」なるマレットを取り寄せてくれた。すると俄然低音がはっきりしてきたではないか。日頃打楽器通を自認する私だが、こんなものがあることすら知らなかった。世の中「日進月歩」なのである。ただ「音」が明瞭になればなるほど「技術」がごまかせなくなる。こればかりは楽器屋では売っていない。


現在ほとんどの高校バンドは来年の行事に向けての準備に入っているわけだが、沼田にとってはまだまだ「残暑」なのである。


  
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